倭人伝 <劇団空間演技公演>

 
作・演出 岡部耕大
出演   古関安広(きたろう)
      風間杜夫
      尼子狂児
      大和田由紀
      大竹まこと
      斉木 滋
      他
初演 1975年4月10日〜13日
    俳優座劇場
    前売り 900円
再演 1975年12月2日〜7日、
    14日
    青年座劇場
(12月は『倭人伝外伝』と2作連続公演)


 

備前松浦で暮らす荒くれ者たちの、鬱屈した青春群像を描いた作品らしい。
風間杜夫は「かんしゃく玉の鉄」という役を演じた。
「自分なりに、ふるさとと日本史を振り返ったわけですよ。そこで農耕民族と騎馬民族、土着と流れ者というところで、『倭人伝』を書いたわけです。やっと書けたなって気がしましたね」(劇的ルネッサンス・1983年)と、岡部耕大は語っている。
この舞台の初演を、劇団暫の向島三四郎や長谷川康夫が観にきたことが、後に風間がつかこうへいと知り合うきっかけになった。また当時、空間演技を手伝いにきていた東大劇研のメンバーの中に野田秀樹がいたという。何年か前にテレビで「僕は大竹まことさんに雪を降らせたことがありますよ」と、野田秀樹自身も語っていた。
風間は映画デビューしてからも、舞台には本名の住田知仁で出演していたが、この作品あたりが、本名で出演した最後ではないかと思う。
春の『倭人伝』の後、『出発』に風間杜夫で出演しているのは確かなので12月の再演では風間を名乗っていたものと思われるが、初演に関しては不明である。

〜おまけ☆初演の宣伝コピー〜
何処から来てなしてこけえおってどけえ行くとかあ
絶叫する廃坑(ゴーストタウン)の若者(オトコ)たち!
ここで生まれてここで生きてここで死ぬったい!
絶唱する死の海の若者(オトコ)たち!
いずれはつけねばならぬ結着であった
この日五十年八月十五日九州松浦盛夏
烈風!!色褪せた六本木のキャンバスに叩きつける
これはニューバイオレンスロマン!!!乞御期待
 

※文中敬称略