蒲田行進曲 <劇団つかこうへい事務所公演>
スタッフ 作・演出 つかこうへい 音楽 大津あきら 美術 石井強司 照明 服部 基 音響 山本能久 他
出演 根岸季衣 加藤健一 柄本 明(80年) 風間杜夫 平田 満 石丸謙二郎 長谷川康夫 萩原流行(82年) 高野嗣郎 酒井敏也
会場 紀伊國屋ホール 1980年11月 1982年9月〜11月 入場料 1800円(80年) 大阪公演 毎日ホール 1980年12月 入場料 2200円
1980年の初演は、加藤健一・銀ちゃん、柄本明・ヤス、根岸季衣・小夏のトリオで上演された。風間は銀ちゃんのライバルスターの役で、役名はそのまま「カザマ」だった。 加藤健一の銀ちゃんは、根性で成り上がってきた苦労人のような匂いがして、劇中、矢沢永吉の『ウィスキーコーク』が印象的に使われるのだが、カトケンの銀ちゃんにピッタリの選曲だった。ちなみに風間版の銀ちゃんに『ウィスキーコーク』は使われていない。 初演はつかこうへい三部作公演ということで、観客の投票で選ばれた『熱海殺人事件』『いつも心に太陽を』そして新作『蒲田行進曲』の連続公演だった。風間は『熱海−』と『いつも−』の両作に出演していたうえに、昼の連続ドラマ『再会の海』にも主役で出ており、そのせいか『蒲田』には最初の20分とエンディングにしか登場しない。その代わりビートルズの『ドント・レット・ミー・ダウン』にのって奇声を発しながら根岸季衣に絡みつき、セクシーといやらしいの境界すれすれの踊り(?)をたっぷりと見せてくれた。 82年の『蒲田』は加藤健一とWキャストで銀ちゃんを演じた。 この公演では、平田満が舞台で初めてヤスを演じるという話題もあったが、なによりつか事務所の最終公演だったというのに、私は観ていない。東京公演しかなかったし、観られなかったのにはいろいろと事情があったのだが、やはり無理をしてでも東京まで行くべきだった。 人生最大の、とまではいかないものの、かなり大きな青春のリグレット(笑)である。