艶説女侠伝・お万乱れ肌 <日活>


  スタッフ
  監督 藤井克彦  脚本 田中陽造
  撮影 萩原憲治  音楽 月見里太一
  企画 松岡 明   美術 横尾嘉良
  録音 紅谷愃一  照明 熊谷秀夫
  編集 井上親弥  スチル 目黒裕司
  助監督 上垣保朗
  1972年8月26日公開

 

 
 出演
 サリー・メイ 高橋 明
 林 美樹 山科ゆり
 風間杜夫 長 弘
 木夏 衛(榎木兵衛)
 水木良子 溝口 挙

 


<ストーリー>
女壺振師らしゃめんお万はヤクザ稼業から足を洗い、手相見風来堂の口利きで料亭の仲居として働くことになるが、しばらくするとその料亭の主人と関係を 持つようになる。
そんな頃、風来堂の息子、良吉が逃げ込んできた。河権一家の女郎の恋人お照を自由にするために3百円もの金が必要だというのだ。
一方、お万は主人との関係が妻にばれ、料亭をクビに。ふたたび賭場で壺を振るようになる。
お照が良吉のもとに逃げてきた。全てを知った風来堂はお照の身請金を稼ごうとサイコロ勝負に挑み、見事3百円を勝ち取るが、河権に惨殺され金も奪われた。しかも、お照と良吉まで殺されてしまう。
お万の怒りが爆発。単身、河権一家に乗り込み、風来堂、お照、良吉の仇を打つべく次々と血祭りにあげていくのだった。
                      (キネマ旬報1972年10月下旬号より抜粋)


風間杜夫としての映画デビュー作。脚本家・田中陽造のデビュー作でもある。
風来堂の息子・風間良吉役。
日活からデビューする際に芸名を付けることになり、名字はこの映画の役名「風間」をそのままもらった。そして当時の日活の俳優部長が北杜夫のファンで、その人の命名により、風間杜夫となったのは通(?)の間では有名な話である。
最初は世を忍ぶ仮の名前だったらしい。
役名の「風間良吉」だが、その昔ヒットした映画「昭和残侠伝」シリーズに登場する風間重吉(池部良)からきているのではないだろうか?ということは風間杜夫芸名のルーツは「昭和残侠伝」にあり、というのは考えすぎだな、きっと。
ロマンポルノ作品だが、この映画の風間に濡れ場はないらしい。

※文中敬称略