過去のひとりごと(2003年1〜3月)
 
2003年3月30日(日)

家の隣の小学校の桜がボチボチ咲きだした。
今年の新入生は、満開の桜の下で、入学式を迎えられそうだな。

気力がなかったりタイミングが悪かったりで、今月映画館に行ったのは一度だけ。
レンタルビデオが安かったせいもあり、映画はビデオばかり。
今日は久しぶりに2本見た。
最初に見たのは『バーバー』
ビリー・ボブ・ソーントン主演、ジョエル・コーエン監督のアメリカ映画だ。
劇場ではモノクロで上映されたらしいけど、ビデオはカラーだった。
カラーといっても彩度の低い渋い色合いで、とても映像に気を使っているのがわかる。でも、やっぱり劇場と同じものが見たかったな〜。
無口な理容師が、妻の不倫相手をゆすったことから事態は悪い方向に転がっていく。
決してとりみだすことなく、どんなことも淡々と受け入れる主人公の姿が、心に残った。
人生を諦めきったワケじゃなく、胸の中にはささやかな上昇志向をひめているのだけれど、それを実行に移そうとすると、たちまち裏目に出てしまう。物悲しくはあるものの、映画自体も淡々と進行し、皮肉な味わいのある映画になっていた。
悲劇的な結末だが、主人公の泣きの入らない客観的な目線が不思議と見ていて気持ちよかった。
『ハッシュ!』
去年からずっと見たかったのに、いつもレンタル中で、やっと見られた。
気が強く情緒不安定なヒロインは、現実にそばにいると迷惑かもしれないけど(^_^;)、この映画では片岡礼子の好演もあって、感情移入…とまではいかないけれど、共感できる等身大の女性に描かれていて良かった。
このヒロインがゲイの男性に「あなたの子供を産みたい」と頼んだことから起こる騒動がテンポよく描かれていて面白い。
ゲイの男性には恋人(もちろん男性)がいて、このカップルと、ヒロインの3人を中心に話は進んでいく。
かなり現実味を欠いたヒロインのプランを、相手の親族たちから非難されるシーンが、世間の目の厳しさを感じさせて印象的だ。
私はヒロインの気持ちもわかるし、でも、「子供を生み育てることを甘く見るな」と非難する気持ちもわかる。
それでも、「誰が何と言おうと自分の人生は自分で選ぶもの」という前向きな未来を提示して映画は終わる。
中年にはまだ少し早い30歳ぐらいの男女が、これからの自分の道を考え、迷い、なんとか前に進もうとする話なのだなと思った。
“普通”というのがどんなものなのかよくわからないけれど、世間からは規格外だと思われても、懸命に生きていれば何も恥じることはないのだと、映画の中の3人の楽しげな笑顔を見ていると励まされた。

先週一番ショックだったことは古尾谷雅人の自殺だ。
『女教師』(1977年)でデビューしてすぐに、一部の映画ファンのあいだでは注目を浴びていた記憶があるから、よっぽど鮮烈なデビューだったのだと思う。
その後、ATGの『ヒポクラテスたち』で主役を務め、『スローなブギにしてくれ』の頃には最も未来を期待される若手俳優の一人だった記憶がある。
上にあげた映画は私が一番熱心に日本映画を見ていた頃にどんぴしゃ当てはまっていて、当然2本とも見ているし(『女教師』はずいぶん後にテレビで見た)、『いつか誰かが殺される』や『宇宙の法則』も好きだった。
私が若さのど真ん中にいた頃に、青春映画の主役を演じていた古尾谷さんが自分で命を絶ってしまったと聞いて、なんだか自分の青春時代が一気に遠くなってしまったような気がした。
私はまったくハツラツとしない青春時代を送っていたので、古尾谷さんや『十九歳の地図』や『狂った果実』で本間優二(この人はもう役者は辞めたんだよね…)が演じていたような若者に自分を重ねる部分もあった。
頑なで融通がきかなくて、粗暴なようで繊細な青春像は今の時代には流行らないと思うけど、私にとって当時の古尾谷さんはそういう「若さ」の象徴みたいなところがあったんだよね。
私はテレビドラマをほとんど見ないので、テレビでの古尾谷さんは風間さんと共演したものぐらいしかきちんと見ていないけれど、何年か前に偶然テレビで目にしたときに、ずいぶん人相が変わっていたので驚いた。
青春の象徴もいつの間にかおじさんだよね。でもそりゃそうだよね、自分だって老けてるんだから。と思ってはみたものの、単に老けただけじゃなく、なんだか全体的に物悲しい雰囲気を漂わせているように見えた。それが役のせいだったにしても、ちょっと気になる変化の仕方だった。
でも、去年の『天国への階段』で最初に刺されるシーンのなんとも言えない表情を見て、「こんなにも複雑な表現のできる俳優さんだったんだな」と改めて感心し、これからの活躍も疑っていなかったのに、こんな形で終わりにしてしまうなんて、残念だとしか言いようがない。
人が死を選ぶ理由なんて、誰にもわからない。
ただ、古尾谷雅人のような人は、今の芸能界では生きにくかったのだろうと漠然と思う。
 
2003年3月22日(土)

やる気の出ない毎日である。
夜中、NHKで空爆の生中継を見ている自分。
送られてくる映像を見ながら解説をしている専門家とアナウンサー。
なんなんだろう、この感覚は?
なんだかなあ…と思いつつ、日々の細々とした雑事に気をとられ、漠然とした不安を抱えながらもいつも通りの毎日が淡々とすぎていく。

最近見たビデオ
『少林サッカー』バカバカしいけど面白かった!
70年代のスポーツマンガをSFX満載で映画化したような感じ。
とことんお客を楽しませようという心意気はあっぱれだ。
『不眠症 オリジナル・インソムニア』
アル・パチーノ主演でリメイクされた『インソムニア』のオリジナル版。
リメイク版よりずっとシンプルな作りで、ハリウッドがいかにドラマチックな展開を好むのかがこれを見るとよくわかる。
地味だったけど、これはこれで良かった。
『自殺サークル』
女子高校生54人が手をつないで新宿駅で鉄道自殺するというショッキングな描写から始まるホラー映画。
主役は永瀬正敏と石橋凌。
予告を見て「面白そう!」と思ったんだけど、アイデアが尻すぼみだなあ…
サスペンスじゃなくてホラー映画だから、理屈で割り切れなくてもいいんだけど、どうもスッキリしない。
かなり気持ち悪いシーンが多くて、そこは早送りした(^_^;)

『デッド・オア・アライブ ファイナル』
Vシネの帝王・竹内力と哀川翔のシリーズ第三作目。
舞台設定が300年先の横浜で、そのわりにはSFっぽさは皆無。
っていうか、どう見ても未来に見えないし(^。^)
最初の翔と力の対決シーンで、翔がピストルの弾を素手でキャッチ!すかさず力が「レプリカントだ」
えーレプリカントかよ〜。だから300年先の未来なのね。
ラストシーンもあまりの展開に笑った。
返却期限が迫っていたので用事をしながら見たんだけど、テレビ放送されたらちゃんと見ようと思う。

今、TSUTAYAの半額レンタル期間中で、返却のついでに何か借りようと思っていたのに、なんだか物語を楽しむ気にはなれなくて、何も借りずに帰った。

風間さんのドラマ2本の感想を書こうと思ってたけど、今日は力が出ないのでまたこんど。
 
2003年3月6日(木)

暖かくなったと思ったらまた冬に逆戻り。
もう厚着には飽きたから、早く春になって欲しい。
私は幸い、花粉症は大丈夫だけど、憂鬱な人も多いと思う。
いつから花粉症がこんなに蔓延するようになったんだろう?
私が子供の頃には花粉症なんて言葉、聞いたこともなかった。
せっかく気持ちのいい季節なのに、意地悪な現代病だな。

土曜日、近鉄小劇場に東京乾電池プロデュース公演『雨上がりの夜空に…』を観に行った。
ベンガルと綾田俊樹に藤山直美の顔合わせだ。
ベンガルと綾田さんのコンビだけでも充分面白いのに、藤山直美!
笑った笑った〜!もォ、だーい好き。
東北にあるひなびた温泉を舞台に、記憶喪失の患者たちが自分が何者かを思い出そうとするお話だ。
なんで、温泉に記憶喪失患者が集まっているのかというと、その温泉は記憶喪失に効くという設定なんですね。
記憶を無くした中年の男女が、「私はお金持ちの奥さんかも」「幸せな家庭の父親だろう」などと夢のような想像をしつつも、本当はきっとなかったことにしたいぐらい辛い出来事が原因で記憶が消えてしまったのだと、心の底ではわかっている。
そんな人生の悲しさをしみじみと感じさせる舞台…のはずなんだけど、あまりにもそれぞれが可笑しくて、観終わった後は元気いっぱいになっていた(^。^)
物語というよりも、やっぱり役者を楽しむ舞台だった。
それもアリだよな、OK、OK。と思いながら少々ハイな気分で劇場を出て、ミナミでお買物。気分スッキリ♪

この温泉に『旅の空』の風間さんが宿泊客でやってきたら…などと、空想してみる。
わー、観たい〜!たまらーん!!

昨日、『ボーン・アイデンティティー』を見た。
記憶を失くした青年が、CIAに命を狙われる話だ。
今まで気付かなかったけど、またしても記憶喪失だね。
でも、こちらの正体はCIAが人間兵器として作り出した暗殺者。記憶を失くしても、教え込まれたスキルは身体に染み付いていて、そのプロフェッショナルさにゾクゾクっときた。
なんで凄腕の殺し屋にマット・ディモン?『リプリー』よりまだミスキャストじゃ?と思っていたけど、主人公が暗殺に失敗した理由が明らかになるクライマックスを見て、なんとなく納得。
確かに「いかにも殺し屋」ってタイプの役者さんより、一見好青年風のマットのほうが、ふさわしいかも。
憎まれ役なれど、クリス・クーパー、渋カッコいい〜。
この人もまた組織のコマに過ぎないとわかるラストの非情さがいいです。
そういえば、この映画の原作(ロバート・ラドラムの「暗殺者」)をずいぶん前に古本屋で買って、そのままになってたな〜。
原作は上下巻の分厚い小説だから、映画はかなりはしょってあるんじゃなかろうか?
今読んでるのが終わったら、次は『暗殺者』を読むことにしよう。

ビデオで見た映画・・・
『ラット・レース』
バカバカしいギャグが盛りだくさんでけっこう好きだ。
かなり古典的で健全なコメディ映画。
バスいっぱいの「アイ・ラブ・ルーシーそっくりさん大会に出場するおばちゃんたち」が可笑しい。
『桃源郷の人々』『カタクリ家の幸福』
ひとり三池崇史監督映画特集をやってみました。
『桃源郷…』のほうが座りがいいというのか、まとまっていて、安心して楽しめる映画だった。
ホームレスの人々が、株を操作して悪徳会社の会長を懲らしめるストーリー。
ちょっと夜逃げ屋本舗シリーズみたいな雰囲気もあるけど、もっと大らかな感じだ。
哀川翔と佐野史郎主演。ホームレスの中に綾田さんがいた。
『カタクリ家…』は、私には退屈だったなあ。
沢田研二、松坂慶子、武田真治、忌野清志郎の豪華キャストが歌って踊る!と聞いて期待していたのに、不発でした。
この映画の元ネタになっている韓国映画『クワイエット・ファミリー』もあんまり面白いとは思わなかったし。
(『クワイエット・ファミリー』の元ネタはヒッチコックの『ハリーの災難』かな)
でも、能天気に明るいラストは本家より良かったと思う。
祖父役の丹波哲郎がいい。
思えば『学校3』もこの人の怪演で救われていたような気がする。
 
2003年2月28日(金)

今日で2月も終わり。
明日から3月。春はすぐそこだ。
早く重いコートを脱ぎたいなあ。
でも、薄着になる前にダイエットしなきゃ。
昨日、本屋で「みるみる“おなか”が痩せてきた」という文庫本を見つけ、ついつい買ってしまった。
でも、まだ1ページも読んでない(^_^;)
読むのは簡単だけど、実行できるかな?
最近、不規則な生活が習慣になっているので、そっちが心配。

先週、『レッド・ドラゴン』を見た。
前作の『ハンニバル』はかなりエグい残酷描写があると聞き、ビビリの私は怖くて見られなかった。
今度はホラーというよりサスペンス映画として面白いという評判に、行く気になった。
ユーモラスだけどぞっとする最初のシークエンスから、最後まで緊張感が持続する評判通り面白い映画だった。
前に同じ原作を映画化した『レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙』をビデオで見てたのに、まったくストーリーを思い出せず、自分の記憶力に呆れた。
でも、そのおかげで最後までドキドキハラハラして見られたんだけど。
レイフ・ファインズが絵を食べるシーンが鬼気迫る熱演で圧倒された。
あれ、食べられるように工夫した特別な紙なんだろうか?
凄すぎるぞレイフの、役者魂。
フィリップ・シーモア・ホフマンのタブロイド新聞のゲスっぽい記者役も、上手かったなあ。
他のキャストもみんな良かった。まあ、もともと好きな人ばっかりだけど。
『羊たちの沈黙』につながる最後の台詞にはきっと、みんなニヤリとしたのでは?
2時間怖くて楽しめてちょっと哀しくなる、よく出来た娯楽映画でした。

今週は『猟奇的な彼女』を見た。
往年のハリウッドのラブコメディを目指したんじゃないかな〜。
音楽の使い方なんて、モロそんな感じだ。
気の弱いグータラ大学生が、気の強い(というか、暴君だな)女子大生に振り回されて、次々ととんでもない目に合わされる前半はスピーディーで、アイデアがうまく映画にハマっていて面白い。
後半になると、二人の気持ちのすれ違いや、ヒロインの悲しい過去が描かれていて、よくある青春モノっぽくなってしまい、私的にはちょっとダレた。
ヒロインのガキ大将みたいな性格(それが“猟奇的”と表現されている)が本国・韓国では大うけだったらしいけど、これはべっぴんさんじゃなきゃ成り立たない話だなあ(^。^)
顔はもちろん、歩き方がドタドタしているところなんか、子供っぽくて可愛いけど、幾ら可愛くてもこの性格じゃ、私には付き合いきれんな。
ヒロインのこの性格が、悲しい思い出を忘れたいための強がりなのか、もともとなのか、ちょっとわかりにくい。
ホントは優しい女の子だと思わせたいんだろうけど、悲しい過去ゆえ・・・っていうのも、なんだかありきたりなような気がした。
どうせなら、最後までカラっと乾いた映画であって欲しかったんだけどな。
でも、最後のロマンチックなオチにはまんまとノセられて、いい気分で映画館を出られた。
「あーやっぱり」と思いながらも、やっぱり嬉しい。

『十角館の殺人』(綾辻行人)読了。
2日で読めた。面白い。これは映像では出来ないなあ〜。
本格派と言われるミステリーは、小説ならではのトリックを使って楽しませてくれるものが多いけど、キャスティングを考えながら小説を読みたい私には、映像化不可ってのは、ちょっとガッカリしてしまう。
小説の出来不出来とはまったく関係ないけどね。
 
2003年2月18日(火)

トップページには「週、2〜3回は更新しています」と書いてあるのに、2週間以上書いてなかった。嘘ばっかり(^_^;)
1月末からこっち、やることが多かったうえに、健康上の不安もあり、正直頭の中はそのことでいっぱいだった。
先週末に一段落ついたのでようやく病院に行って検査してもらったところ、「大丈夫」と言われひとまずホっとした。
半年後にもう一回検査しないといけないから、まだ心晴れ晴れとはいかないけど。

2月の初めに近鉄小劇場で花組芝居の『百鬼夜行抄』を観た。
原作はマンガだそうだけど、私は読んだことがなく、先入観なく観ることが出来た。
妖怪が見える一家に起こる奇想天外な出来事を描いたホームドラマ。
妖怪が出るといってもあまりオドロオドロしい描写はなく、楽しい舞台だった。
ただ、この劇団とファンの関係が私は苦手。
妙な身内意識っていうのか、馴れ合ってる感じが、部外者にはちょっと気持ち悪い。
どっぷり漬かってしまえば、居心地いいんだろうけどね。
芝居の中の遊びの部分がぬるく感じてしまうのは、内輪受けに終わっているせいだと思う。
座長の加納さんはいい役者だと思うし、決して嫌いじゃないけど(植本潤は好きだし)、もっと緊張感のある舞台のほうが私は好みだな。

DVDで『ヒューマン・ネイチュア』ビデオで『女校怪談』を見た。
『アホでマヌケなアメリカ白人』(マイケル・ムーア)
『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン)読了

あ、そうそう、ちょっと前にビデオで『暴れん坊兄弟』を見た。
子役時代の風間さんが出演している映画だ。
役柄はやもめの貧乏侍(っていうか役人?)の息子。10人兄弟の長男で「父ちゃん〜、お腹すいたよ〜」というセリフには涙を誘われる(それはウソ)
とても楽しい映画で、昼行灯とバカにされている鈍感な兄(東千代之介)と、粗忽者の弟(中村嘉津男)のキャラクターが可笑しい。
クライマックスで湿っぽくなったのが残念だけど、この大らかさはかなり気に入った。
風間さんは3シーンほど登場。ワンカットだけアップもあります。
 
2003年1月30日(木)

寒波襲来。
昨日今日と、ホントにここは大阪か?!と思うぐらい寒かった。
こんな寒さはちょっと記憶にないぐらいだ。

もう10日以上前だけど、近鉄小劇場で竹中直人の会の「月光のつつしみ」を観た。
微妙な感情のやり取りを淡々と描く、いつもの岩松了独特の世界だったけど、今回は登場人物の気持ちが理解しやすくて、共感できる芝居になっていた。
今までは「岩松さん、インテリなんだなあ」と思うものの、イマイチ、ピンとこないことが多かった。
東京乾電池時代の町内会シリーズは、日常に転がっていそうななんてことない出来事が面白くて好きだったんだけど、だんだん難しくなっていったような印象がある。
今回は、新婚の竹中直人と篠原ともえ、子供が出来て結婚間近の北村一輝と坂井真紀のカップルの前に、桃井かおり(竹中直人の姉という設定)が登場することで、篠原ともえと坂井真紀の気持ちの中に起こる気持ちの揺れが、すごく伝わってきた。
特に篠原ともえの、姉と弟の間に、どうしても入っていけない世界があるのを感じて、不安になっていく様子は誰にでも身につまされる姿じゃないだろうか?
逃げることも、声をかけることもできずに立ちつくす篠原ともえの足だけを見せるラストシーンはとても良かった。

芝居が始まったとたんに、携帯で北村一輝の写真を撮っている困ったちゃん発見!
でも、うまく撮れなかったためか(当然だわな)、一回でやめてくれたのがまだしもだった。

どうしても観たかった「オケピ!」とNODA MAPの「オイル」
なんとか優先で、両方とも希望通りの曜日と席種を買えた。
でも、電話予約で精根使い果たしたでござるよ。

「昭和時代回想」(関川夏央)読了。
 
2003年1月23日(木)

先週から今週にかけて、急にいろいろと忙しくなり、ネットサーフィンもままならなかったけど、昨日と今日は久々にゆっくりできた。
でも、明日からまたしばらくはバタバタしそう。

先週の水曜、ラインシネマに「マイノリティ・リポート」を見に行った。
はじめは豪華なアクション映画ぐらいにしか感じなかったが、後半面白くなった。
トム・クルーズは、今一番、ハリウッドスターらしいスターだなあと思う。
マックス・フォン・シドーって、ここ20年ぐらい、ぜんぜん風貌が変わらないように見えるんだけど、昔から老けてたってことか?
予知能力者を使って、これから殺人を犯す人間を犯罪前に逮捕する警官がトム・クルーズで、その上司でシステムの立案者がマックス・フォン・シドーなんだよね。
そのシステムの欠陥に気付いたためにトム・クルーズは罠にハメられてしまう。
2時間半ぐらいあったのかな。けっこう長い映画だったけど、ダレるシーンもなく楽しめた。
でも、殺人を犯す前に逮捕するのはいいけど、裁判になったとき、殺意の立証はどうするんだろうか?と不思議に思った。

昨日はシネポップに「カンパニー・マン」を見に行った。
これも、近未来SFと言っていいんだろうか?
「マイノリティ・リポート」が正統派のハリウッド映画なら、これはちょっとひねった味わいだ。
ある男性が会社の面接を受ける場面から映画は始まる。
それは、産業スパイを雇うための面接だった。
男は合格し、新しい名前と身分を与えられる。
最初は、違う人格になりきることを面白がる男だったが、やがて見知らぬ女性が出現し、あなたは嘘の任務を与えられ、これから洗脳されるのだと告げて去っていく。
さて、会社の本当の目的は何か?この男はどうなるのか?というのが、この後、展開されていく主な内容だ。
途中まで面白かったんだけどなあ。
オチにはちょっとガッカリ。あれで、一気に安っぽいスパイアクション映画になってしまった感じ。
まあ、好き好きだと思うけど、ラストを見たあとでは、最初はいい味だと思った主人公の演技が、わざとらしく思えてしまう。

先週、ビデオで『県警対組織暴力』を見た。
いかにも70年代の東映娯楽映画らしい猥雑さに溢れた映画なれど、組織の中で生きる男たちの刹那的なエネルギーは見ごたえあった。
やっぱり深作さんは組織や集団を描くと冴える。
しかし、女優は中原早苗を除いてほとんどがおっぱい要員(^_^;)
女性の観客は最初から想定してないんだろうなあ。
この10年ほど後に、女性が主役の任侠映画(いわゆる極妻)が始まるんだけど、その10年のあいだに、映画館で映画を見る男性は激減して、みんなVシネに行っちゃったんだろうか?

書くのを忘れてたけど、正月明けに「アメリ」を見た。
すごく可愛い映画。
最初に登場人物の紹介をかねて、「好きなこと」「嫌いなこと」を羅列していくシーンが可笑しくて好き。
ヒロインのアメリってかなり悲惨な少女時代を送ってるんだけど、そこも笑ってしまうような、ちょっとブラックな隠し味も感じた。
でも、予告を見たときに、「これは絶対にハマる!感動する!」と思ったわりには、実物を見ると普通に「良かった」という程度で、案外後に残らなかったなあ。
私の中の「アメリ」度は相当低いようだ(~_~;)
脇役のキャラクターはみんな良かった!

「飛蝗(バッタ)の農場」(ジェレミー・ドロンフィールド)読了。
バラバラに散りばめられた出来事が、最終章でキレイに収まっていくのは快感だ。面白かった。

この時期、バーゲンの盛りも過ぎて、もう冬ものは買いたくない気分。
すぐに着られないとわかっていても、春ものに目がいってしまう。
昨日、スカートを衝動買い。
2枚候補があって、どっちにしようかと迷ったんだけど、店のお姉さんのプッシュで流行りっぽいスカートにした。
透ける素材で普通にはくとシルエットが映るので、そこがなあ・・・と踏ん切りがつかないでいたら「これぐらい普通ですよ〜」「下にスパッツか短いペチコートをはけば大丈夫ですよ〜」のアドバイスでついついその気に(^_^;)
一見そうは見えないけど、ウエストはゴムなのだ。
やっぱりウエストはゴムかストレッチが楽よね〜。
なんて言って甘やかしてると、どんどん肥大化していくのさ。おーコワっ!
でも、やっぱりラクチンさには勝てんよな。

あ、先週の金曜に見た竹中直人の会の「月光のつつしみ」について書くのを忘れてた。
これに関しては、次回書きます。
 
2003年1月14日(火)

日曜の昼のニュースで深作欣二監督の訃報を知った。
作品同様、エネルギッシュなイメージの監督さんだったので、まだまだ大丈夫だろうと勝手に思い込んでいた。
こんなに早く訃報を聞くなんて、残念で仕方がない。

私が初めて見た深作作品は『復活の日』で、確か、角川のSF超大作だったと思う。
角川映画お馴染みの大量宣伝で話題になったし、かなりヒットしたはず。
突っ込みどころ満載ではあったけれど、手際よくテンポよく作られた映画だったような記憶あり。
追悼記事にフィルモグラフィーが載っていたので数えてみたら、昭和36年のデビューから、おととしの「バトルロワイアル」まで60本の監督作品があるそうだ。
その中で私が見たのは12本。ほとんどが80年代以降の作品で、唯一、「仁義なき戦い」が70年代だった。
「仁義なき戦い」はビデオで見て、「凄く面白い!」と興奮したわりには、シリーズはそれ1本しか見てないんだよね。
特に理由はなく、なんとなく見ないままだったんだけど、今はビデオ屋に行ってもみんなレンタル中なんだろうな。
うちのHPも昨日はアクセス数がいつもの5割り増しだったし、亡くなって「蒲田行進曲」を改めて見た人も多いんじゃないだろうか?
深作作品は出来栄えにけっこう差があったけど、それでもプログラムピクチャーをコンスタントに面白く撮れる数少ない監督だったと思う。
服のセンスとか、風俗的なことで「ええ?!」と戸惑うことはあっても、私の見た限り退屈な映画は1本もなかった。
どの映画でも登場人物は生きることに貪欲で、ヤクザたちの壮絶な散り様も、生命力の裏返しだったのだと思う。
映画で風間さんをあんなにエネルギッシュに動き回らせた監督は他にはいなかった。
久々に深作映画での風間さんを見たいと思っていたのに、それはもう叶わない(T_T)
「バトルロワイアル」には賛否いろいろあって、私も素晴らしかった!と手放しで褒める気にはならない映画だけれど、灯台で少女たちが殺しあうシーンのたたみかけるようなスピード感にはうなった。
疑いがどんどん加速して惨事に至るまでの息もつかせない演出。さすが深作監督、枯れてないなあと嬉しくなったのに、あれが遺作になるなんて・・・(正確にはゲームソフトの「クロックタワー」が遺作らしいけどね)
年末には笠原和夫さんが逝き、戦後の焼け跡を知っている映画人たちがどんどん消えていってしまう。
今は平成も15年、昭和がますます遠くなったような気がする。
深作監督は昭和56年に「青春の門」を監督しているけれど、この映画の続編には風間さんと平田満さんが出演している。
続編を撮った蔵原惟繕監督も最近亡くなったんだよね。
映画界の世代交代というのか、新しい時代への転換期なのかも。
撮影所育ちの監督さん、今どれぐらいいるんだろう?
これからはピンク映画やVシネ、PFF出身の監督ばかりになるんじゃない?
それが悪いとは思わないけれど、撮影所の伝統が受け継がれなくなったら、時代劇など撮れるんだろうか?と疑問に思う。

深作監督についてとりとめなく色々書いたけど、全監督作品の20%しか見ていない私に、本当は語る資格なんかないんだろうな。
とりあえず、手始めに正月にビデオ録画した「県警対組織暴力」を見よう。
しかし「キングコングVSゴジラ」「座頭市と用心棒」を続けて放送して、翌日には「県警対組織暴力」を流す読売テレビには、かなりウケた。
東京の三百人劇場では深作監督全作品を上映するというし、これから追悼放映や上映が続きそう。
1本でも多く見ておきたい。

モーリス・ギブも逝っちゃったんだよね。まだ53歳だったのか、若いなあ。
ビージーズは特にファンじゃなかったけど、中学時代「小さな恋のメロディ」のサントラは大好きで何度も何度も聴いた。
「メロディーフェア」とか「マサチューセッツ」が好きで、「サタデーナイト・フィーバー」はあまり好みじゃなかったなあ。
でも、あのブームが自分の高校時代と重なるので、すごく懐かしいグループではあった。
あ〜70年代も遠ざかっていく〜。
 
2003年1月11日(土)

今日はシネフェスタで「夜を賭けて」を見た。
新今宮の駅に着くと、いつもよりうーんと人が多い。
一瞬あれ?と思ったが、笹を持った人がたくさんいて、今日はえべっさんだったことを思い出した。
珍しく映画館も半分以上席が埋まってる。
おじさんおばさん率高し。ま、そういう私もおばさんなわけだが。

映画は泥臭いエネルギーに溢れていた。
主役の山本太郎の、姿勢の良さ、背筋に一本筋が通った感じの硬派ぶりが気持ちいい。
大阪の兵器工場跡からくず鉄を盗みだすアパッチ族と呼ばれた男たちと、彼らが暮らす朝鮮人部落の暮らしぶりがテンポよく描かれていて、そのたくましさに圧倒される。
昭和30年代は、人々が未来に向けて明るい希望を持てた古き良き時代だった半面、まだまだ露骨な差別がまかり通り、人権意識が希薄な時代だったのだと思う。
日本人の一人として頭を垂れたくなるようなシーンも多いけれど、日本を非難するというよりも、逆境の中でも前向きに生きようとする人々の、喜びや悲しみや怒り、肉親や恋人に対する愛情の深さを描いているように感じた。
日本人が作ったら、もっと贖罪意識の強い湿っぽい映画になりそうな気がするが、監督が在日韓国人(新宿梁山泊の金守珍)のせいか、突き抜けた力強さがある。
無理やり分類するなら、社会派というより娯楽映画。ダイナミックな活劇の面白さで一気に見せる。
ただ、やっぱり娯楽映画と呼ぶには重いなあ。
歴史や背負っている問題の根深さが、単純に「ああ面白かった」とは言わせない重石なんだろうな。

アパッチ族という言葉、高校時代に読んだ開高健の「日本三文オペラ」で初めて知った。
当時はまだ大阪城公園駅(この駅は高校時代にはまだなかったけど)と京橋駅の間の川沿いに広い空き地(というのか、私の記憶では荒地といった感じだったが)が広がっていて、環状線の車窓から見えるお馴染みの風景だった。
小説を読んでから、そこが昔兵器工場だったことを知り、戦争が急に身近になったように感じた。
現在は公園や近代的なビルに変わっていて、跡形もないけれど。
映画を見ていて、そこが同じ大阪の身近な場所だったということが、今ではもうピンとこない。
映画に描かれた時代から40年以上の歳月が流れて、古く貧しい日本がどんどん忘れられていく。
一概にそれが悪いとは言えないけれど、物質的な豊かさと引き換えに心の豊かさを失っているような今の時代を思うと、忘れてはいけない戦後日本の原風景だと思う。。

月曜に近鉄小劇場で「イッセー尾形のとまらない生活2003」を観た。
久しぶりに見たけど、やっぱりイッセー尾形の人物スケッチは面白い!
一見普通なんだけど、どこかちょっとヘンな人とか、最初は普通だったのに、どんどん脱線して妙な行動に出てしまう人とか、どこにでもいそうで、どこにもいなさそうで、可笑しくて哀しい人たちの描写に引き込まれた。
次回もぜひ見たい!
でも、近鉄アート館も近鉄小劇場もなくなったら、神戸まで行くしかなくなるのかなあ・・・
 
2003年1月5日(日)

あれ?今日は何曜日だっけ?と一瞬考えてしまった。
年末からこっち、曜日の感覚が曖昧になっていたけれど、明日は月曜日。いつもの感覚を取り戻さなければ。

さて、今年はどんなお正月を過ごしたかというと・・・
1日
「筋肉番付」を見ながら食って飲んでダラダラする。
2時間ぐらい延々と飲み続け食べ続けだったので、お腹がパンパン!
翌日が怖い!!とおびえながら寝た。
で、2日
朝、体重計に乗ったら・・・嗚呼!一晩で1.5キロも増えていた。
朝イチで近所のデパートに行き、ファッション福袋を2個買った。
内容はまあまあかな〜。
すごく得した!って感じもないし、うわー!失敗!ってほどでもなかった。
午後は風間さんの資料をスキャンしてパソコンに取り込む。
ごちゃごちゃになっている印刷物を、これから少しずつ整理していくつもり。
スキャニングはけっこう時間がかかるので、ビデオを見ながら作業した。
見たビデオは『D.O.A2』『酔いどれ天使』『忘れられぬ人々』
3日目
春日大社に初詣に行く。
朝からけっこう強い雨だったが、奈良駅に着いたときには少しマシになっていた。
おみくじをひいたら大吉。これで3年連続大吉だ。嬉しいけど、これだけ続くと、ちょっとコワイ(^_^;)
おみくじに書いてあったこと
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
世の中は十人十色といって、
世間の批評は必ずしも一致しません。
自分の良心に聞いてみて、正しいと信じたならば、
他人の言葉に迷わないようにしたいもの。
良心は神に通じます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この言葉には勇気付けられた。
毎日の生活の中で、迷ってしまうことがたくさんある。
これでいいのかあっちのほうが良かったのか、人の反応を気にして右往左往。
でも「自分の信じる道を行きなさい」と、たかがおみくじなんだけど、背中を押してもらった気分だ。
人になんと言われてもめげない強さを、今年は獲得したい。
4日
めちゃくちゃ寒い!雪がちらつく中、梅田で新年会。
イタ飯からワインバーというコース。
12時頃帰宅。
早めに行ってバーゲンをのぞきたかったのに、結局時間ギリギリになってしまい、何も見られなかった。
今年は余裕を持って行動すること!と、一応反省。

今日はPCのゲームをやりはじめたらなかなかクリアできなくて意地になってしまい、2時間やり続けだった。
今年は時間を無駄にしないこと!と、また反省。

こうやって書いてみると、いつもと同じ。書くに値する正月とも思えないけど(^_^;)、平凡に過ごせること自体ありがたいと思う。
今年一年平和でありますように。
   

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