過去のひとりごと(2002年9〜10月)
 
2002年10月27日(日)

日記を書くのは10日ぶり。
書こうとは思うのだけど、気が付けば深夜になっていることが多くて、ずっと後回しになってた。
ちょうど一週間前の20日、シアタードラマシティで「おかしな二人・男編」を観た。
小泉今日子&小林聡美の女編もあったけれど、両方買うと予算オーバーなので、男編だけ。
なぜ男編かというと、夢の遊眠社時代から段田安則が好き(出演作を欠かさず見るほどではないけど)なので、久々に生で観たかったのだ。
脇役陣も、男編のほうが個性豊かで魅力的だったしね。

「おかしな二人」はニール・サイモンの超有名な戯曲で、ジャック・レモンとウォルター・マッソーのゴールデンコンビでの映画化作品を見た人も多いと思う。(実は私は未見)
性格のまったく違う男二人が共同生活をするはめになり、繰り広げられるコメディだ。
舞台は10年ほど前(もっと前?)、加藤健一&平田満版で観た。
すごく面白くて楽しくて満足した記憶あり。
今回のコンビは、段田安則&陣内孝則。
カトケン事務所版よりも、全体的にドタバタした印象だった。
ポーカー仲間4人との場面は大爆笑なのに、主役二人になるとちょっとダレる。
潔癖症のフィリックス・陣内孝則の演技が、可笑しいんだけど(財津一郎チック)、この役にその演技でいいのか?と、笑いながらも心にひっかかるんだよね。
過度の清潔好きというよりも、単なる変な人だよ、あれじゃ。
「あんなに繊細な人、初めてよ」と、美女二人がメロメロになるシーンでは「なんでやねん」と、思わず突っ込みを入れたくなった(^_^;)
表面的にはとても笑ったし楽しかったんだけど、ちょっと雑な気がして、満足とは言えない。ラストも「あれ?こんなにアッサリしてたっけ」と意外だった。もっと余韻の残る終わり方じゃなかったかな〜。
役者陣の中では浅野和之がいい味出してた。最近の浅野さん、ノってるよね。どの舞台も評判いいみたいだし。

先週は、カーテンを縫ったり、小物入れを作ったりの手作りモード。
ミシンを出すのがめんどくさくて、いちいち手で縫ってたので時間がかかった。
チクチク針を動かしながら、ビデオ録画していた日本映画をたくさん見る。
見た映画は「死びとの恋わずらい」「続サラリーマン忠臣蔵」「三等重役」「陰陽師」「ザ・ジャガーズの進め!敵前上陸」「ザ・テンプターズの涙の後に微笑を」「打ち上げ花火・下から見るか?横から見るか?」「愛の讃歌」そして洋画だけど、今日の夜やっていた「ファイナル・デスティネーション」
なるべく肩のこらない、ながら視聴でも話についていけそうな作品を選んで見た。
話は他愛のないものでも、昔の作品は風俗を見ているだけで面白い。

高村薫の「神の火」読了。
カバンの中に入れっぱなしで、主に電車の中で読んでいたが、半年かかった(^_^;)
化学の描写が多くて読むのがつらいときもあったけど、スケールの大きな物語と、硬質でありながら抒情的な文章は魅力的だ。
さあ、次の電車の友は、何にしようかな。

「ひとり芝居中国を行く 風間杜夫の挑戦」を見た。
「カラオケマン」は中国でもちゃんとウケていて、感激だった。
同じ芝居を上演しても、文化や風習の違い、観客のマナー等、日本で上演するのとでは、いろいろと勝手が違うと思う。
一本の芝居の中で、わかる部分わからない部分も国によって様々だろう。
でも、お客さんを楽しませようという役者の真摯な姿勢はどの国でも共通のはず。
「カラオケマン」は風間さんのサービス精神がギュっと濃縮されたような作品だもの。きっと役者・風間杜夫の姿は、中国のお客さんにも強く印象づけられたことと思う。
あと5年、10年、これからの風間さんが楽しみだなあ。
このいろんな場所での経験が、やがて血となり肉となって、また私たち観客を魅了するんだろうな。
ミーハーな感想としては、やっぱりカッコいいわねえ。おっとこまえだなあ。ウットリ(*^_^*)といったところでしょうか。
ファンにはたまらなく美味しい番組どした(なぜ京都弁?)。
 
2002年10月17日(木)

昨日、今話題の映画「サイン」を見に行った。

※以下、ネタばれありなので、これから見る人は注意!※

監督は「シックス・センス」「アンブレイカブル」のM・ナイト・シャマラン。
前2作と共通するような思わせぶりな演出、ヒタヒタと迫るような怖さは健在。
この監督、謎を散りばめて観客を引っ張るのは凄く上手いのに、着地の仕方がどうもなあっていう印象がある。
今回はどんでん返しで驚かす話ではないせいか、その点はうまくまとめていたように思う。
ただ、宇宙人に侵略されるSF映画だと思って見ると、ガッカリするだろうなあ。
特に宇宙人の姿がね〜。1950年代のB級SFの宇宙人の姿そのまま。
最初に登場したとき「え?これネタ?それともマジ?」と思わず目を疑ったよ。
宇宙人の弱点もあまりにも単純で拍子抜け。でも、物語のメインはそこではないんだよね。

主人公は妻を交通事故で亡くしたことをきっかけに信仰を捨てた元牧師で、神の意思や運命を信じられなくなっている。
映画が描いているのは、世界の終わりを目の前にしたとき、人は神に祈り希望を捨てずにいられるのかということで、宇宙人は世界の終わりの象徴でしかないんだろうな。
宇宙人が地球に侵攻してくる様子は、すべてテレビのニュースに映る映像だけで、舞台はほとんどフィラデルフィア郊外の農場から動かない。
ただ、目の前の農場に巨大なミステリーサークルがあるだけだ。
だからスケールの大きな世界的な危機のわりには映画はものすごく地味。
戦いは宇宙人対地球人ではなく、元牧師の家族対宇宙人として描かれている。
子供たちを守ろうとする父親の姿は感動的だった。
簡単に言ってしまえば、妻を亡くして生きる気力も信仰も失くした父親が、終末の危機を乗り越え、立ち直る話なんだけど、キリスト教的価値観がわかってたら、もっといろんなことに気付くんだろうな。
農場に暮らす兄と弟という設定がまず聖書くさい。
聖書はほとんど知らないけどね。

姿が見えない気配だけの宇宙人は怖いんだけどな〜。姿を見せたのは失敗だったなあ。惜しいなあ。
緊張感ただよう画面の中に、変に笑えるコネタを仕込んであるのはけっこう好きだった。

あ〜最近すぐ疲れてしまう。
他の話題も書こうと思ったけれど、眠いのでもう寝る。
おやすみなさい。
 
2002年10月15日(火)

先週の金曜日にシネフェスタで「ドニー・ダーコ」を見た。
詳しい内容は→ココをクリック
神経症の高校生ドニー・ダーコの、現実とも幻想ともつかない暗い青春映画で終わるのかと思いきや、ラストこうくるかー。なるほどね〜。
見終わって内容を振り返ると、つじつまの合わないところや謎のまま解決しないところがあって、もう一回見て確認したくなる。
アメリカではリピーターが多かったというのは、きっとそのせいだろうな。
青春映画のようでもあり、サイコサスペンスのようでもあり、SF映画のようでもあり、いろんな要素がつまっていて少々重かったけど、面白かった。
ただ、青春映画としてみると、どっか理に落ちてる感じがして、映画全体にもっと優しさが欲しいなあなんて思ってしまった。
感心はしたけれど、後味はよくなかったな。

最後のクレジットでキャサリン・ロスの名前を発見。
どこに出てた?と後で調べたらカウンセラーの役だった。うそー、全然気付かなかった。
私が映画でキャサリン・ロスを見たのは何年ぶりだ?もしかして20年ぶりぐらいかも。そりゃ老けるよね。
物理の先生がERのノア・ワイリーだったことにも気付かず。
一時はあれだけERにハマってたのに、私の目はふしあなか?

シネフェスタのあるフェスティバルゲートは、行くたびに寂れてる(^_^;)
このあいだ久しぶりに行ったら店が半分以上撤退していてビックリした。
来る人が少ないから、商売にならないんだろうなあ。
にぎわってるのはビーズの専門店だけだもん。
シネフェスタは1500円の入会金を払えばいつでも1000円で映画を見られるなかなかナイスな会員制度があって、先日会員になったところなんだけど、映画館まで撤退なんてことないだろうなあ。心配。
この映画館はけっこう気に入ってるんで、頑張って欲しい。

BSで放送していた市川崑の「青春怪談」を見た。
昭和30年の日活映画で、連れあいを亡くしたお互いの父と母を結婚させようと計画する幼馴染の二人が主人公だ。演じているのは北原三枝と三橋達也。
合理的でドライな若い世代と、その親の世代の恋愛模様を面白おかしく描いていて、なかなか楽しめた。
息子に「うちのママの精神年齢はまだ19にもなっちゃいないんだ」と言われる轟夕起子のキャラクターが、今見るとちょっと作りすぎてわざとらしく感じてしまったのが残念。
乙女チックで可愛いっちゃ可愛いし、笑いを取るために大げさに演じてるんだろうけど、「いくらなんでも大人気なさすぎ」と思ってノレなかった。
若いカップルは、執着心も嫉妬心も感じさせず、何よりも性的な匂いがしない。
三橋達也に迫って断られると嫉妬心丸出しで嫌がらせをするバーのマダムや、北原三枝への恋が敗れて病気にまでなってしまう芦川いづみのような存在が、若い二人にとって「怪談」なのか、惚れたのハレタの生きるの死ぬのとは無縁に生きる若い二人の存在が、旧世代には理解できない「怪談」なのか。
北原三枝のボーイッシュでアッサリしたキャラクターは魅力的だった。
今なら、ドライでもウエットでも、男女の結びつきは人それぞれと思うところだけど、当時としては新しい感覚だったのかもしれない。
映画だから若い二人の描写も極端だけどね。普通はあんなに割り切って考えられないと思うけど。
あ、「普通は」なんて言い方が、常識の罠に落ちてるのかも。
世の中にはいろんな人がいて、いろんな考え方がある。それをわからせてくれるのも映画。
 
2002年10月10日(木)

スカパーをつけたら懐かしい「岸辺のアルバム」を放送していた。
ちょっと見るつもりが見入ってしまった。
どうってことのない日常風景を描いているのに、ウッと胸がつまるようなシーンが幾つもあって、それは人間の心のひだを上手に写し取ってるからなんだろうなあ。
今はお父さんお母さん役の俳優さんがみんな若者で(25年前だから当たり前)、あ〜若いなあとしみじみ。
風吹ジュンがめちゃ可愛い。

前は何をするときでも、バックに音楽が流れてないとイヤだった。
でも今は、PCに向かうときや何か作業をするときは音楽は邪魔だと感じるようになった。
まったく何もなくシーンとしていたほうが作業がはかどる。
コツコツと続けていたカセットテープをMDに移すことも、最近は止まり気味。
早くカセットを片付けてスペースを作りたいんだけどなあ。
長年捨てずにとってあった映画雑誌は捨てることにした。
今はネットのデータベースですぐに調べられるので、もうほとんど見ることはないから。
映画や舞台のチラシも、もういらないな〜。
でも、アッサリ捨ててしまうのはもったいないのでオークションで売ってみるかな。
一枚ずつ出品してたらきりがないので50枚セットで200円とか。
でも、そんなの買う人いないかな。
 
2002年10月7日(月)

10月第一週はあっという間に過ぎてしまった。
昨日まで暑いぐらいの日が続いていたけれど、今は少し気温が下がったみたい。
と言ってもまだノースリーブ着てる。寒くないけど足元が冷える。

昨日近鉄小劇場にトムプロジェクトの「子供騙し」を観に行った。
緒形拳、篠井英介、富樫真の三人芝居。
仙台に近い海沿いの町にある床屋が舞台になっていて、緒形拳はそこの店主で理容師。
富樫真は2ヶ月近く前からその店で働くようになった素性のわからない女。
篠井英介はその女を捜して東京からやってきた私立探偵という設定だ。
始まるとイタリアっぽい音楽(ニーノ・ロータみたいな感じ)が流れて、床屋といえばやっぱりイタリアよね。マフィアが殺されたりセクシーな理容師さんの隣で髪結いの亭主が踊っていたり・・・なんてイメージが頭に浮かぶ。
初めてナマの舞台で緒形拳を見たけど、やっぱりいい俳優さんだわ。
ラストシーンの箒を使って店を掃除している背中に「哀愁」の二文字がにじんでた。
肩の力を抜いて軽く演じているように見えるのに、なんともしみじみと心に染み渡るような演技で、良かったなあ〜。
話はとてもシンプルで、帰りたくない女、帰したくない初老の男、そしてなんとしても連れ帰りたい探偵が、あれこれ駆け引きをする姿を描いたものだ。。
この場に留まるための子供騙しのウソの数々が、可笑しくいじらしい。
希望と諦めが入り混じった切ない幕切れなんだけど、「これが人生さ」とでもいうような飄々とした味わいもあった。
作・演出は風間さんの一人芝居や「居残り佐平次」でもお馴染みの水谷龍二さん。
いや〜、私の中ではこの芝居がベストかも。
客席も大いに盛り上がってたし、終演後の拍手も熱かった。それも納得のいい芝居!
カーテンコールで照れて手を振っていた緒形さん、私ごときが失礼だけど、とても可愛かった(*^_^*)

緒形さん、佐平次と同じ、羽織投げをやっていて嬉しくなってしまった。
こちらは羽織じゃなくて、ベスト(ちゃんちゃんこ?)だったけどね。
この芝居では見られないと思ってた篠井さんの女形演技も見られて、客席は大ウケ。私も堪能した♪

水曜は、敷島シネポップに「竜馬の妻とその夫と愛人」を観に行った。
もとは三谷幸喜が東京ヴォードヴィルショーに書きおろした芝居で、そのときの出演者は平田満、佐藤B作、あめくみちこ、佐渡稔。
私は2年ほど前に新神戸で観た。後に残るものはあまりないけれど、そのときは楽しめたと思う。
映画のキャストは、木梨憲武、中井貴一、鈴木京香、江口洋介。
ストーリーを書くのはめんどくさいので→[ここをClick]
登場する男性陣はみんな竜馬の元妻・おりょうさんにメロメロになるんだけど、舞台のときのあめくみちこにはそれほどの魅力を感じなかった。
あめくさんはどちらかと言えば好きな女優さんだけど、この役を演じるにはちょっと柔らか味に欠けるのでは?と思った。
映画の鈴木京香は、なるほどこれならイカれるよなあと納得できる色っぽさ(^。^)
でも、当時はまだ女が一人で生きていくのが困難だった時代とはいえ、「男を誘惑して養ってもらう」ことに開き直れる女というのは正直言って「ムム・・(ーー;)」だなあ。
それは竜馬への愛情が強すぎるゆえ、竜馬が死んでしまった後の人生は彼女にとってはないのと同じだからで、映画は舞台よりもその部分を強調していたように思う。
でも、やっぱり嫌な女だなあって思ってしまった。
妹の亭主の耳元で「連れて逃げて」とそそのかすなんて、「妹を捨てて」と言ってるのと同じだもんね。
今の夫を演じた木梨憲武は、悪くはないけれど、舞台での平田さんの力の抜け具合が絶妙だったので、どうも違う人物を見ているみたいだった。
三谷幸喜の作品は、輪郭がはっきりしていて、スピーディーな印象の作品が多い。
でも、この映画は市川準監督作らしく、輪郭は曖昧、色も落ち着いた中間色で、全体にゆったりした感じ。舞台版とはぜんぜん雰囲気が違う。
でも映画版も、ドタバタは多いし、実はけっこう台詞も物語の展開も早いんだけど、風景の切り取り方とか、表情の捉え方がどっか優雅だから、のんびりした印象を受けるのかな。
オチは好き嫌いあると思うけど、一応綺麗にストンと落ちる(^。^)
舞台もそうだったけど、ちょっとした小品だね。時間も短いし。
私にとっては可もなし不可もなしかな〜。
好きな人はすごく好きかもしれない。

昨日近鉄小劇場でもらったチラシを見ていたら気になる芝居の情報が・・・
篠井英介、深沢敦、大谷亮介で「ヴァニティーズ」?!
昔、夏木マリ、根岸季衣、片桐はいりのキャスティングで見たことがあって、このときも濃い顔ぶれだなあって思ったのに、その100倍は強烈でしょ。
怖いもの見たさ・・・いやいやマジで観たい!と思い、日付を見たら大阪公演は来年の4月。まだまだ先やなあと思ったけど、よく考えたら半年後だ。
半年なんてきっとすぐだろうなあ。
 
2002年10月1日(火)

鬱陶しい天気がもう4日は続いてる。
今、関東地方に台風が上陸しているらしいが、ここらは雨が降ったぐらいでほとんど影響はなかった。
もう雨はあがって星が見えてる。明日は晴れだといいな。
テレビのニュースを見るとかなり大きな台風のようだけど、何も被害がでませんように。

もう読んでから1週間以上たつような気がするけど高野和明の小説「13階段」について。
傷害致死で刑務所に入り刑期を終えた若者が、元看守と二人で冤罪の疑いがある死刑囚の無実を証明する話だ。
死刑囚には事件があったとされる数時間の記憶が事故のせいで欠落しているために、犯行を肯定も否定もできない状態での死刑判決だった。さて、あと数日に迫った死刑執行を食い止めることが出来るのか?というかなり面白い小説だった。
単純な探偵ものではなく、死刑執行の実態や、実際に手をくだす刑務官の苦しみ、そして調べる若者と事件の意外なつながりなどなど、ぐいぐい読ませる。
この小説、実は復讐ものなんだよね。
「ぼくはあいつを殺したことをどうしても悪いことだとは思えない」という台詞がある一方で、同じ人物に「でも復讐は復讐を呼んでしまう」とも語らせている。
理性では復讐を否定できても感情はまた別物で、その感情を押さえ込むのは相当難しいんだろうと、一度も被害者になったことのない私は、しょせん頭で考えるしかないんだけど、やっぱり復讐されるよりする気持ちのほうが理解はしやすいよね。
これ、反町隆史主演で映画化されてるらしい。
「模倣犯」のような結果にならないことを祈る!

先日ビデオで「リリィ・シュシュのすべて」を見た。
ひとことで言ってしまえば、中学生のいじめの話。
1年前まで仲の良かった男の子2人の関係が、服従させる者とする者に変化していく。
具体的にどの作品とかは浮かばないんだけど、美しくて残酷な少年期を描いた耽美な映画や小説を思い起こさせるような映画だった。
でも、この映画に耽美なんて優雅なものはない。
いじめ、売春、レイプ、自殺、殺人と、極めて過酷な中学生の日々が描かれている。
その過酷な毎日の唯一の救いが、リリィ・シュシュという名前の女性シンガーで、主人公は彼女のファンサイトの管理人という設定だ。
彼女に心酔するファンたちとBBSで熱い会話を交わし、現実の世界では半分死んでいるような毎日。
一方で小さな世界のボスに君臨するようになった少年の不安定な心象風景も描かれていて、いじめられる弱い少年といじめる悪い少年というわかりやすい図式の映画ではない。
少年期特有の不安定な日常が透明感あふれる美しい映像で描かれているから、この映画に引き寄せられる若者はきっと多いだろうと思う。
同じような思いを抱えて学生生活を送っている十代がたくさんいることは想像に難くない。
現実的に考えれば、あそこまで悪質だと大人に助けを求めるとか、親に相談するとか解決方法はあるのだろうけど、自分の中学時代を振り返ってみても、子供同士の関係は子供たちの世界だけで完結していて、大人の存在なんて眼中にはなかった。
そんな小さな王国での悲劇と受け止めればいいんだろうか。
ある種の中学生(決して全部じゃない)にとってはリアルな感情を、映し出しているのは確かだと思うけど、やっぱり救いがないなあ。見てて気がめいるよ。
映画の前半、まだ仲の良かった頃の少年たちが沖縄に旅行するシーンがあるんだけど、これが全篇手持ちカメラのホームビデオ映像で、一番ホっとできるシーンのはずなのに、ココが一番辛かった。
だって手ブレで酔う酔う。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」状態。
それも計算のうちなんだろうけど、映画館で見てたらもっと辛かっただろうな。
やっぱり岩井俊二の映画は上手いけど好きじゃないなあ。
なんでこんな鬱々としたおとぎ話を作るかなあ。
 
2002年9月26日(木)

今日は寒かった。最高気温が21.5度だったらしい。
寒いのに、バスの中で、蚊に三ヶ所も咬まれる。
9月の蚊は、いつもの3倍は痒いので、ムカつく。

今頃って感じだけど、ようやくドラマスペシャル「TEAM」の感想。
私は連続ドラマも過去2回のスペシャルも見ておらず、今回が初めて。
例え少年であろうと犯罪者は厳しく罰するべきだと考える刑事・丹波(西村雅彦)と、少年は保護すべき対象であり、更正の道を閉ざしてはならないと考える文部科学省の役人・風見(草なぎ剛)が、対立しながら少年犯罪に取り組む様子を描いたドラマなんだろうと、初めて見た私にもなんとなくわかるようになっていた。
ただ、元が連続ドラマということで、描かなければならない人間関係が多く、事件の本質に関わっていない登場人物のシーンは、ちょっとダレる。
連続ドラマからのファンには不可欠なシーンなんだろうけど、風見と丹波の妹・綴の恋愛関係よりも、もっと描いて欲しいものがあったのになあ。
おそらく「TEAM」というドラマの基本は、風見青年の成長物語なんだろうと思う。
そういう意味では事件だけでなく、プライベートな描写が必要なのはわかる。
でも、「TEAM」というドラマの1エピソードとするには、今回のテーマは重過ぎないか?
2時間ドラマとは言うものの、実質1時間40分ほどの時間では、描ききれなかったものがたくさんあるのでは?

!ここからネタバレあり!

ドラマを見る前、粗筋を読んだ段階では、教え子を殺された先生が、生徒と一緒になって犯行グループに復讐。と思わせて、実は、凶悪な少年犯罪に手を焼く警察庁の幹部がひそかに裏で糸を引いていた・・・という感じのストーリーかなと予想していた。
でも、これだと黒武洋の小説「そして粛清の扉を」に似すぎてるから、さすがにそこまでやらないか。でも近い線では?と思っていたら、こんなにわかりやすいストレートな話だったとは。

犯人が幼いままの我が子の姿を頭に焼き付けて孤独に暮らしていたとすれば、我が子を殺した少年たちに対する憎しみがどんどん大きくなっていったのは理解できる。
一方、殺された少年の仲間たちは、怒りでふりあげたこぶしをどうしていいのかわからない。
どうすることも出来ないのかとあきらめかけていた頃に、復讐を手助けする手紙が届いた・・・ということなんだろうけど、このあたりの子供たちの様子を映像で見たかった。
風見は「子供たちだけの犯行だとはどうしても思えない」と言っていたけれど、なぜ大人がからんでいると思うのか?そこに説得力を感じられないんだよね。
中学生にもそれくらいの計画性はあるだろうと思うんだけど。
でも、大人は子供を正しい方向に導かなければいけない。
そういうメッセージを伝えたいためにこういう展開にしたのかも。
「犯人のやったことは間違っている」と主張する場合にも、この「子供を使った」ということに関しては、誰も異議を唱えられないしね。
にしても、最終的な決断は子供たちが下したわけで、純粋な(と言っていいのか)友情が痛々しい。

少年をリンチで死なせた少年たちの描写も少なすぎると思う。
「加害者も実は大人の被害者」的なものを見たいわけじゃないけど、あまりに表面だけしか描かれていなかったような気がして、被害者も加害者も、一人一人違った顔を持つ人間なのに、その「人間の顔」が見えてこない物足りなさが残った。

今回は組織のトップの犯罪というのも、大きなテーマだよね。
もみ消すのか逮捕するのか。大企業の不正が次々に明るみに出ている今、非常にタイムリーな問題だ。
ドラマだから当然、解雇覚悟で立ち向かう人々の姿が描かれていて、このあたりで俄然緊迫感が出てきた。
でも、やっぱり時間が足りないせいなのかな〜。トップとの攻防戦があっさりしてるんだわ。
中途半端に犯人捜しの要素を入れているので、見るものをミスリードするようなひっかけがちょこちょこ登場するんだけど(怪しい篠原涼子とか)、犯人捜しじゃなくて、子供を殺された親がいかにして壊れていったのかと、組織のトップを逮捕しなければならなくなったときの、現場と幹部の戦いぶりをもっとじっくり見たかった。
でもそれじゃ別のドラマになってしまうのかな。

うちのBBSでもよそのドラマサイトのBBSでもみんなが書いてたけど、やっぱり私も書かずにはいられない。
最後の取調室のシーンは圧巻!
常に子供たちの側に立ってきた風見が初めて対峙する大人の容疑者。そして一人の父親。
草なぎくんにこのシーンをやらせたかったんだろうな。そして風間さんとがっぷり四つに組ませたかったんだろうな。
子供を使ったこと、ビデオのこと、いろいろマイナス面はあるのに、それでも子供を殺された父親に、風見はがぶり寄られたって感じ。
アメリカ映画の「評決のとき」や「スリーパーズ」など、報復殺人を犯しながら無罪になっちゃう映画を見たとき、「おい、ダメだろ、そりゃ」とその結末に驚いた。
でも日本も陪審員制度だったら、無罪になってしまうかもね〜、なんて「TEAM」を見ながら思ってしまった。

どんなことがあっても私刑はいけないこと。それは間違いない。
その理由を精神論などに求めずに、「秩序」と明快に言わせた脚本は上手いと思う。
ただ、秩序を維持するために被害者が捨て置かれていいはずはなく、精神面をフォローする制度が、今の日本には足りないのでは?と思うが、これはドラマの内容とはまた別の話。

来栖審議官を演じた風間さんには、またやられてしまいました。
いつのまに、こんなに風格を感じさせる役者になったのだろう?と、私ごときが言うのは生意気だけど、本当に驚いた。
「天国の階段」の江成も凄かったけど、あの役からは、「大人になりきれない男の幼児性」がプンプン匂っていて、ファンにとってはおなじみの、風間さんの得意技だ。
でも、今回の栗栖審議官の、成熟した男性が静かに壊れている姿は、私には初めて見る風間さんだった。
表情、口調、声のトーン、そのどれもが新鮮で、たいへん満足。
53歳にして、まだまだ風間さんの可能性は未来に向けて広がっているような気がする。
これからまた新たにどんな顔を獲得されるのか、楽しみで仕方ない。

小説「13階段」のことを書こうと思ったのに、時間がなくなってしまった。
昨日はビデオで「リリィ・シュシュのすべて」を見たので、それについても書きたかったのだけど、これもまた後日だな。
 
2002年9月23日(月)

先週の水曜に映画「インソムニア」を見に行った。
ずっと感想を書こうと思っていたのに、時間がなかったり目の調子が悪かったりで遅くなってしまい、印象が薄れつつある今日この頃^_^;
いやいや、でも面白かった!
予告を見た人はわかるだろうけど、ウキウキ!ワクワク!といった種類の映画ではない。
アラスカの小さな町で女子高校生が殺される。
そこにLAから2人の刑事が捜査にやってくる。
2人は内務調査官から近々取り調べを受ける予定で、そのことが原因で仲がギクシャクしていた。
霧深い海岸で、捜査班は犯人を発見する。そのとき、霧で前が見えなかったベテラン刑事・アル・パチーノは、間違って相棒を射殺してしまう。
自分が撃ったとは言えず、犯人が撃ったことにしてしまう刑事・・・その様子は誰も見ていないはずだった。
だが、犯人・ロビン・ウィリアムスはそれを目撃していた。
やがて、犯人は刑事を脅迫。二人で犯人をでっちあげようと持ちかけるのだが・・・
というのがおおまかなストーリーだ。
最初はよくある猟奇殺人ものかと思っていた。
でも、この映画の刑事も犯人もズルさと弱さを抱えた生身の人間で、モンスターのように理解不能な犯罪者でも、現実感のないヒーロー刑事でもない。
24時間明るい白夜の町で眠れない刑事の精神がだんだんささくれだっていく様子や、気弱さと凶暴さが同居している犯人の不気味さが、緊張感を高めていて見ごたえあった。
アル・パチーノを尊敬し学ぼうと意欲的な女性刑事のヒラリー・スワンクもいい。
結果的には彼女が刑事を追い詰めていくことになるが、そうなるように導くのもまた刑事自身なんだよね。
誤射事件の報告書を作成する役割を与えられ、殺人事件の捜査からはずされたことを不満に思い、おざなりな捜査で終わろうとするヒラリー・スワンクに、ちゃんと調べるようにと指示するのは、他でもないアル・パチーノなのだから。
自分が誤った道を、この後輩には進ませまいとするラストのセリフは泣ける。

寒色系でまとめられた硬質な映像に、渋い出演者。
地味な映画だけど、心理的な葛藤や駆け引きにグイグイ引きこまれた。
なぜ、刑事は警察の内部から告発されようとしていたのかも大きなポイントで、正義と制度の狭間で苦悩する刑事の姿は、先日の「TEAM」で取り上げられた問題にも通じているような気がした。
こういう映画が日本でもできないものか・・・風間ファンサイトの管理者としてはやはり、風間さんにこういう役を!と言わずにはいられない。
アル・パチーノでもロビン・ウィリアムスでも、どっちの役もいいよ〜。想像しただけで震えるぐらい!

私の4〜5列前に座っていた金髪の三人娘(日本人)
15分おきぐらいに入れ替わり立ち代り携帯片手に出たり入ったりして鬱陶しかった。
映画が終わりトイレに入ると鏡の前では
「最初っからおもんなかったな〜」
「途中で帰りたなったわー」という会話が・・・
見れば、さっきの金髪トリオではないか。
「たった2時間集中できないオメーラに語る資格なし!
家に帰ってバラエティでも見とけ!」と思ったが、もちろん顔には出さず。
しかし何に惹かれてこの映画を見にきたのやら・・・

ホントは金曜の「TEAM」のことや、今日読み終わった「13階段」のことも書くつもりだったけど、長くなったのでまた今度。
 
2002年9月16日(月)

先週、松竹座に「三国一夜物語」を観に行った。
(!以下、ネタバレあり!)
曲亭馬琴の原作を、歌舞伎にアレンジしたものだ。
雅楽のお家騒動に、竜宮城の伝説をあわせたようなお話だった。
家宝「高嶺の太鼓」をライバルの浅間佐衛門に奪われ、都を追われた上に父まで殺された楽人・富士太郎が、家宝を取り戻し、復讐を遂げるまでの物語。
廓に身を売った富士太郎の妹が浅間佐衛門の妻となったり、浅間の母親がとんでもない鬼婆だったり、行方不明になっていた富士太郎夫婦の息子が浅間の鬼婆に襲われたりと、なかなかに波乱万丈である。
そしてクライマックスは亀!
最初の場面で、子供に殺されそうになった亀を太郎が助けるのだが、クライマックスではこの亀に助けられる。
この場面は楽しいよ〜。役者は宙乗りでクルクル回るし、巨大な亀は可愛いし、見ながらニコニコしてしまうこと必至♪
ただ、途中がちょっと退屈だった。
寝不足だったこともあり、ついウトウト・・・(^_^;)
序幕、二幕、大詰と三幕に分かれていて、休憩込みで約4時間の舞台だったけど、最初の二幕は半分ぐらい寝てたかも。
だから、本当は偉そうに感想なんか書けないんだけどね。
イヤホーンガイドの力を借りても、まだ理解できない台詞が多くて、眠かったのはそのせいもある。
芝居の世界は深いなあ。まだまだ勉強だわ。

役者は富士太郎に市川染五郎、妻の桜子が市川亀次郎、浅間が片岡愛之助と、若手中心の中で、鬼婆をにくったらしく演じた片岡秀太郎はさすがの貫禄。
しかし、このあいだ見たハリーポッターも、メインは宝の奪い合いだったし、洋の東西を問わず、ファンタジーの王道は同じということなのかな。

ミナミに出たついでに中座の前を通ってみた。
中座の正面は焼け落ちずに無残な姿をさらしているのが、余計に哀しかった。

向かいの家がまた猫を飼い始めた。
今度は白いフワフワの毛をした猫だ。
いい猫みたいなのに、ノラだったらしく初めて見たときは薄汚れていたが、今はずいぶん綺麗になった。
この猫、どういうワケかうちの植え込みが気に入っているようで、いつ見ても植木の中にちょこんと座っている。
前にいた猫はもっと大胆だったが、今度のコはけっこう用心深い性格のようだ。
写真を撮ったので、久しぶりにアップしておく。


 
2002年9月12日(木)

昨日は久しぶりに友達4人と食事に行くはずだったが、そのうち一人は急な残業で、もう一人はお母さんが転んで骨折してしまい、当日になって参加できなくなった。
仕方がないので、二人で韓国料理を食べにいく。
4人だといろんな種類の料理を少しずつ食べられるのに、2人だと3〜4皿注文したら、もうそれでお腹いっぱい。
お店を出たらまだ帰るには早い時間。
せっかくだから、久々にカラオケに行くことにした。
2時間、さんざん歌っていい気分で帰宅。
「さて、マイリトルシェフを見るか」とビデオをチェックしたら、「ロッカーのハナコさん」が写ってる。
それも、途中でブチ切れ。
あわててテープをもどしたらオーマイガ!TBSのはずが全部NHKやん。
肝心なときになんたる失態。
でも、今日になってビデオを借りる目途はついたのでホっとした。

今日、新しいPCにスキャナーとデジカメをUSB接続してみたら、まったく認識してくれなくてアセった。
canonのHPで、XP対応のドライバーはダウンロードしたはずなのに。
2時間ぐらいあれこれヘルプやネットで調べてようやくデバイスが認識されていないためとわかり、手動でなんとか設定した。
(PCのことはよくわからないので、このへん、誤りがあるかも。変なところがあっても、ツっこまないでね^_^;)
今まで使っていた周辺機器のドライバーはXP対応ではないので、使えるようになるまでの手続きがかなりめんどくさい。
こんなとき、機械に詳しい人が近くにいたら楽なのに。
このあいだは、テレビ大阪の写りの悪いのを直すために分波器の蓋を開け、アンテナの芯を新たに出して接続しなおした。
芯を出すのが難しくて、やれどもやれども折れてしまう。
4回目にはなんとか芯だけうまく露出してくれたけれど、どんどんケーブルが短くなっていくので一時はアセって泣きそうだった。
なんで機械に弱いのに埃にまみれてこんなことしてるかな〜と思うと、そこはかとなく哀愁なんか感じちゃったりして。
でも、そんな自分が好きだったりして。

悪戦苦闘の甲斐あって、テレビ大阪は今、機嫌よく綺麗に写ってくれている。
これが、相変わらずだったら、暴れてたよ、いやマジで。
 
2002年9月9日(月)

ついに新しいPCを買ったのだ!
コンパックのプレサリオシリーズの一番安いモデルを本体だけ。
これ、欲しいなあと思っていたのだけれど、ネット通販では品薄状態で、下見だけのつもりで日本橋の電気街に行ったら、安く出てたのでつい買ってしまった。
だって残り2台って書かれてたら心が動くよね。
うちもこれでWindows XPに。
でも、メモリ128MBだと、ちょっと動作が重い感じだったので、思い切って256MBのメモリを買ってきて増設した。
PCの蓋を開けるのは緊張したけど、メモリの場所さえわかれば後は差し込むだけだから、想像以上に簡単だった。
今はメモリ384MB!!作業スピードが速いよ〜。
まだナローバンドなので、ネットの速度はどうにもならないけど、今まですぐに固まっていたJAVAを使った凝ったHPでも、スイスイ開くようになった。
前から欲しかったスクリーンセーバー「3Dフィッシュ アクアリウム」も買ってしまった。
前はメモリを食うのが心配で、入れられなかったんだよね。
モニターの中を泳ぐ熱帯魚は、ちょっとした心のオアシスだ。

最初は、DVD-R内臓のものにしようと思ったんだけど、よく考えたら、PCでDVD作りなんて始めようものなら、PCで他の作業ができなくなってしまう。
今あるビデオをデジタル化するにしても、DVDだけに目的を絞った製品のほうが、使い勝手がいいように思うしね。
所蔵ビデオデジタル化計画は、まだまだ先になりそう。

金曜にハリー・ポッターのDVDを見た。
これって昔ながらの貴種流離潭ってヤツだよね。
心の卑しい人の中で虐げられて育ってきたけれど、実は由緒正しい家柄のプリンスだった・・・
魔法学校での友情や、不思議なモンスターたちや、賢者の石を守るための冒険などなどが、手堅く描かれていて、3時間近く退屈はしなかった。
きっとスクリーンで見たら、空中でのフットボール(?)の試合や、クライマックスでのチェスなど、手に汗握ったと思う。
でも、私は基本的にあまりファンタジーは好みじゃないので、この映画もまあまあってところかな。
今まで見た中で私が一番好きなファンタジー映画は「バロン」なんだけど、それを超える映画は今のところ出ていない。
次のハリー・ポッターも、映画館じゃなくて、DVDでいいかな。

朝、中座消失のニュースを見て驚いた。
凄い勢いで燃えてるなあと思ったら、法善寺横町一帯も延焼してしまったとか。
そりゃ、あれだけ建て込んでいれば燃え移るよな〜と思うけど、歴史のある有名な店が多かっただけに、道頓堀のダメージは大きいと思う。
それにしても、中座も派手な幕引きをしたもんだ。
江戸時代から平成まで、中座の舞台に立ってきた多くの役者の魂が、解体に怒って燃やしたんじゃないの?なんてオカルトチックなことを書いてみたけど、もちろん冗談です。
私が中座で芝居を見たのは5回ぐらいかなぁ。全部、歌舞伎。
それほど思い入れのある劇場ではなかったけれど、いかにも昔ながらの劇場って雰囲気は好きだった。
すでに解体が始まっていたとはいえ、劇場一帯が焼け野原だなんて、劇場の閉鎖が相次ぐ大阪では、不吉すぎてシャレにならん。

スーパーチャンネルで「モンキーズ」をやっていたので、なんとなく見た。
ナンセンスなギャグで見せるスラップスティックコメディって感じ?
1960年代の終わりごろの番組だと思うけど、画質が綺麗なので、あまり時代を感じさせない。
サイケな服装はさすがに古いけど(^。^)、可愛い。
番組そのものよりも、最後に歌う「ディドリーム・ビリーバー」が良かったな。
声の出演が、鈴木ヤスシ、長沢純、高橋元太郎、太田博之なんだよね。
吹き替えが上手いんで驚いた。
この人たちがアイドルだった時代・・・と考えると、相当昔だね。

10時半から「濱マイク」を久しぶりに見る。
今日はアレックス・コックスの脚本・演出だよ〜。
って、アレックス・コックスって何撮った人だっけ?
「レポマン」でしょ「シド・アンド・ナンシー」でしょ、後は見てないな。
あの、メキシコが舞台の西部劇みたいな妙な殺し屋たち、無意味に長いアップの連続、嫌いじゃないけど、テレビで見るにはキツいな〜。
「監督の遊びにテレビ局がお金出してるだけやん」なんて思ってしまう。
テレビの視聴者よりも、マニアに受けてDVDが売れればいいってことなのかな?
田口トモロヲと塚本晋也がゲストってことは、アレックス・コックスって、「鉄男」のファンだったのか。
塚本晋也といえば、監督した映画がベネチアで何か賞をもらったとか。
前に映画祭の審査員もしてたし、海外で評価が高い監督だと思う。
私は、塚本監督の映画を見るといつも酔ってしまうので、苦手だけど。

「レポマン」ってどんな映画だったっけ?と思い、データベースで調べたら、この映画、モンキーズのマイク・ネスミスのプロデュース作品だった。
今日のテレビはモンキーズつながりだったのか。
ということで、おしまい。
 
2002年9月5日(木)

たまにむしょうにビッグマックが食べたくなる。
今日がまさにそれ!
たまらずマクドに走りこみ、貪り食っちまった(^_^.)
あの食後に胃がもたれる感じ、あの口の中に残るなんともいえないくどいソースの味。わかってても、食べたくなるんだよね〜。
でも、若いときは外でビッグマックを食べるのは恥ずかしかったのに(大口開けないと食べられない)、今は平気なんだから、これも年をとった証拠だね。
一応、まだダイエット中なのに、こんなことしてて体重減るわきゃないな。
でも、フライドポテトはさすがにマズいと思って、サラダにしたら単品扱いになるので、高くついた。
59円のハンバーガーを思うと、なんか納得いかん。

先週末、TSUTAYAの100円セールで借りたDVD「メメント」を見た。
記憶が10分しか続かない男が、妻を殺した犯人を捜す話だ。
公開されたときかなり評判が良かったので、期待して見たが、「ものすごく良かった〜!」ってほどでもなかった。
でも、スパイスが効いていて、それなりに面白い小品だ。
結末を先に見せておいて、少しずつ時間をさかのぼっていく。
余韻の残る皮肉な終わり方が良かった。
この監督(クリストファー・ノーラン)の次回作「インソムニア」(だったかな?)が面白いらしいので、必ず見に行こうと思う。
さ、明日は「ハリー・ポッター」を、見よう。
ちょっと流行ってるものには飛びつくが、ものすごく流行ってるものには背を向けるわかりやすい性格なので、今まで見てなかったんだよね。
素直に楽しめるといいな。
 

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