こんなん見てきました舞台篇1983〜1985
−字が細かくてスミマセン(^_^;)ヒマつぶしにどうぞ−


1983年

「生涯」(道化座) オレンジルーム 2/12
 作:つかこうへい 演出:須永克彦 出演:森 秀人 馬場晶子 松本学 木村佐和子 里ちはる
「都会(まち)の扉」(南河内万歳一座) オレンジルーム 2/25 
 作・演出:内藤裕敬 出演:森 健司 味楽智三郎 内藤裕敬 河野洋一郎 村野絵野 鴨すずめ
「改悪版・碧星序説」(第二劇場) オレンジルーム 3/4
 作・演出:四夜原 茂 出演:阿部 茂 川上徹也 駒崎景子 牧野直美 辻 雅之 松本尚子
「島っ子純情−<俺たちの聖夜>より−」(劇団男と女) オレンジルーム 3/6 通し券2800円
 作:松原敏春 演出:紫 龍 出演:紅 萬子 紫 龍 餓 鬼 藍あい スイス貫太郎 
第二回オレンジ演劇祭。上記の4劇団の他に第三劇場が「蒲田行進曲」(演出:マキノノゾミ)で参加。通し券2800円で全5作見れたのに、体調を崩し第三劇場はパスしてしまいました。
神戸の新劇系劇団・道化座がつかこうへい作の「生涯」を上演。
「生涯」は1975年に雑誌「新劇」に発表された戯曲で、劇団青俳が同年9月に上演しました。つか演出での上演は今まで一度もないと思います。
理想的な死を迎えたい老人と、その家族が織りなす可笑しさと痛さが同居した家庭劇で、基本が出来た役者さんばかりだったので安定感のある舞台でした。破綻なくうまくまとまっていた記憶があります。
大阪芸術大学の劇団、南河内万歳一座が1981年に上演したものを大幅に書き換え上演した「都会の扉」
私はこのとき万歳一座を初めて見ました。当時の関西の学生劇団はつか芝居の影響を受けた劇団がほとんどだったのですが、そんな中でつか以前のアングラの匂いをさせた万歳一座は新鮮でした。
ただ、新宿歌舞伎町を舞台にした冒険活劇調の芝居には、私はあまりノレませんでした。でも、内藤裕敬の芝居の味はこの頃にすでに完成されていたような気がします。今、もう一回観てみたいなあ。
第2劇場の「改悪版・碧星序説」は、ひとりよがりで荒削りな舞台でしたが、不思議と引きつけられました。
長崎での原爆投下を軸にして展開するスケールの大きな内容だったと思います。たくさんの登場人物が一堂に会してクライマックスになだれこんでいくエネルギーは相当なものでした。
劇団男と女の「島っ子純情−<俺たちの聖夜>より−」は、東京ヴォードヴィルショーが1977年に上演した戯曲を、関西を舞台に置き換えて上演したものだったと思います。
泥臭い笑いが多く、泣かせる演出も過剰だったような・・・でも、そこが大阪らしいところなのでしょう。
オレンジ演劇祭はこの後、1986年まで続いたようです。私は残念ながら翌年以降は1本も見ていません。
毎回「大賞」「スタッフ賞」「演技賞」が選ばれていたと思うのですが、どの作品が選ばれたのか、インターネットで調べてみてもわかりませんでした。ご存知の方、お知らせ願えるとたいへん嬉しいですm(__)m
「寿歌(ほぎうた)」(劇団彗星'86) オレンジルーム 3/12
 作・演出:北村 想 出演:矢野健太郎 佳梯カコ おかち以蔵
「寿歌2」(劇団彗星'86) オレンジルーム 「寿歌」と2作品通し券3000円 3/13
 作・演出:北村 想 出演:赤染歌丸 佳梯カコ 小林正和 神戸 浩
名古屋の劇団・T.P.O師団を率いて注目されていた北村想の「寿歌」が大阪で観られる!と勇んでチケットを買いました。T.P.O師団は解散し、新たに期間限定(だったと思います)で結成した彗星'86での2本立て公演でした。
「寿歌」は今なおいろんな演出家の手によって上演され続けている傑作戯曲です。
北村想は自分の芝居のことを「とっても明るい虚無」と表現していましたが、その言葉はのちに80年代の演劇を語るうえで欠かせないフレーズになりました。
核戦争後の荒野に現れたキリスト(ヤソ)と、人類の数少ない生き残りである旅芸人のゲサクとキョウコ。この3人が聖地エルサレムではなく、モヘンジョダロを目指して旅をする話です。放射能の灰がまじった雪の中を、リヤカーを曳いて歩く、とても美しいラストでした。
「寿歌2」も、「寿歌」と同じく軽やかな関西弁に彩られた笑いの多い芝居でした。
こちらも核戦争後の荒野をモヘンジョダロ目指して歩くのですが、裏切り者(ユダ?)が登場するなど、苦味が増していたような気がします。
「寿歌2」に関しては、あまり覚えていません(^_^;) この文を書くために昔のチラシを引っ張り出してきて初めて神戸浩が出演していたことを思い出したぐらいです。
未見ですが、この他に「寿歌西へ」という作品もありました。
「俺たちの聖夜(クリスマス)」(東京ヴォードヴィルショー) 郵便貯金ホール 4/12
 作・演出:松原敏春・花王おさむ 出演:佐藤B作 坂本あきら 花王おさむ 佐渡 稔 石井愃一
「超連続殺人事件・そして誰も笑わなくなった」(東京ヴォードヴィルショー) 郵便貯金ホール 4/13
 作:高信太郎 演出:喰始 出演:佐藤B作 坂本あきら 花王おさむ 佐渡 稔 石井愃一 市川 勇
「七輪と侍」(東京ヴォードヴィルショー) 郵便貯金ホール 各2500円 4/14
 作・演出:高平哲郎 出演:佐藤B作 坂本あきら 花王おさむ 佐渡 稔 石井愃一 市川 勇 山口良一
東京ヴォードヴィルショーの10周年特別公演。日替わりで3作品上演されました。
「俺たちの聖夜」は物語としてはいちばんまとまっていたと思います。この直前に見た劇団男と女版よりは、ずいぶんスカっと抜けていて、湿っぽい場面はなし。やっぱり本家のほうが面白かったです。
「超連続殺人事件」と「七輪と侍」は内容は忘れてしまいましたが、かなりバカバカしくて大笑いした記憶があります。この頃のヴォードビルはかなり肉体を使ったギャグが多く、毎回運動会のような楽しさでした。
「リルの着く駅」(東京乾電池) サンケイホール 2600円 5/21
 作・演出:岩松 了 出演:柄本 明 ベンガル 綾田俊樹 高田純次 小形雄二 角替和枝 田岡美也子
わけのわからない芝居でした(笑) それだけが強烈な印象として残っています。
ゴダールがどうのこうのとか、映画に関するマニアックなギャグが多かったような気が・・・
乾電池はこのあと、ナンセンスな笑いから独特の日常を描いた作品に変化していくのですが、この頃はその過渡期だったのかもしれません。
この作品には確か岡本麗も出てました。
「上海バンスキング」(オンシアター自由劇場) 毎日ホール 3000円 6/8
 作:斉藤 憐 演出:串田和美 出演:吉田日出子 藤川延也(串田和美) 大森 博 余貴美子
1981年に続いて2度目のバンスキング。
初めて観たときの感動が凄かったので、ものすごく期待して観に行きました。
やっぱりとっても良かったのですが、最初に観たときの鳥肌ものの感動はよみがえりませんでした。
会場がこじんまりした郵便貯金ホールから、1500人クラスの毎日ホールに変ったことも一因かもしれませんが、最初から感動したい!と身構えすぎていたような気がします。
吉田日出子のマドンナは最高の当たり役でしょう。余貴美子のリリーも可愛かった!
「ドリスとジョージ」(花の会) サンケイホール 3800円 10/1
 作:バーナード・スレイド 訳・演出:安西徹雄 出演:小川真由美 橋爪 功
加藤健一事務所が何度も上演している「セイム・タイム・ネクスト・イヤー」の、これが日本初演だったと思います。
花の会というのは小川真由美がこの作品を上演したいために作ったユニットだとか。結婚には至りませんでしたが、当時婚約中だった二人の共演ということで話題になりました
それまでにも何本か翻訳劇は見ていましたが、初めて感動できた作品です。
お互いに配偶者がいながら、一年に一回だけ一緒に過ごすドリスとジョージの25年間を綴った芝居でした。
ドリスのファッションや二人の家族に起きる出来事に、時代が反映されていて良かったです。
帰り道、劇中何度も流れた「虹の彼方に」を口ずさみながら駅まで歩きました。とても幸せな気持ちでした。
「かきに赤い花咲くいつかのあの家」(秘法4番館) オレンジルーム 1500円 11/12
 作・演出:竹内銃一郎 出演:木場克己(勝己) 森川隆一 辻 親八 小林三四郎 森永ひとみ
申し訳ないですが、何にも覚えていません(^_^;) カフカの「変身」をモチーフにした作品だったと思いますが、場面の記憶がまったくないです。お恥ずかしー(;´Д`A ```
芝居が始まってから終わるまで、だいたい2時間弱だったと思いますが、ずーっと舞台に出ずっぱりで腹筋をしている役者さんがいました。台詞はありません。ただ黙々と腹筋運動を続けるだけの役です。
その人の体力に驚いたことが唯一の記憶です。
「夏の思い出」(劇団青い鳥) オレンジルーム 1600円 12/3
 作・演出:市堂 令 出演:上村柚梨子 葛西佐紀 木野 花 芹川 藍 南部夜貴子(天衣織女)
それまで演劇界では女優以外で女性が注目されることは少なかったと思いますが、木野花(86年退団)、渡辺えり子、如月小春の3人の女性が相次いで登場し、話題になっていました。
青い鳥は1974年結成。女性ばかりの劇団で、集団作業で芝居を作っていきます。作・演出の一堂令という名前は、集団創作のときに使われるペンネームなのだそうです。
高野文子イラストのチラシに惹かれ初めて観た青い鳥。良かったな〜。
子供の頃の自分。すっかり忘れていた懐かしい気持ち。大人になるにつれて知っていくこと、忘れていくこと。そんな切ないあれこれが柔らかく綴られていきます。
私は青い鳥の雰囲気がとっても好きでした。決して男性の作家には描けない世界だと思います。
「店長さんのアックスボンバー」(東京乾電池) サンケイホール 2600円 12/13
 作・演出:小形雄二 出演:柄本 明 ベンガル 高田純次 綾田俊樹 岩松 了 西本 毅 伊沢麻紀
詳しい内容は忘れましたが、わかりやすくて笑える芝居でした。
綾田俊樹の娘役の若い女優さんが、ガチガチに力の入った演技で笑わせて、そこに綾田さんの「肩の力を抜け!」という突っ込みが入り、更に可笑しかったのですが、この若い女優さんは広岡由里子だとずっと思っていました。
ところがこの文章を書くために東京乾電池のHPで公演記録を調べたところ広岡由里子の名前はありません。
そのうえ、エエッ??伊沢磨紀(現在は青い鳥に所属。当時の名前は麻紀)出てたの!と意外な出演者の名前にビックリです。
別のサイトの広岡由里子の紹介文には「1987年東京乾電池入団」(現在は退団しています)の文字が。
ということは、あの女優は伊沢磨紀だったのか???
気持ち悪いので誰か真相を教えてください。よろしくお願いしますm(__)m

1984年

「時のたつままに〜As Time Goes By〜」(東京ヴォードヴィルショー) 郵便貯金ホール 2600円 4/11
 作・演出:松原敏春 出演:佐藤B作 松金よね子 岡本 麗 田岡美也子 石井愃一 市川 勇
ストーリーは忘れました(^_^;) 現在は「る・ばる」で活躍中の女優さん3人がゲスト出演。「30女3人の激突!」と宣伝していたような気がするけど(まだ30代だったのね)、あまり火花を散らず場面がなくて残念でした。
クサい青春ドラマのパロディとか、ストーリーに関係ないショータイムのほうが面白い・・・と当時のメモに書いてあります。下ネタが多くて品がないとも書いてありますが、どんな下ネタだったのか、今ではまったく思い出せません。
「野獣降臨(のけものきたりて)」(劇団夢の遊眠社) 芦屋ルナホール 2600円 5/12
 作・演出:野田秀樹 出演:野田秀樹 上杉祥三 段田安則 竹下明子 円城寺亜矢 松澤一之
東京で大人気だった夢の遊眠社。待ちに待った関西初公演でした。
ストーリーは理解できていないのに、スケールの大きさ、リズミカルな台詞から広がるイメージの豊かさに興奮!“古代からの伝説と未来からの伝説が畸形の運河のうえで手をつなぐ”クライマックスにはすっかり野田ワールドに魅了されていました。
「そして、ここが、君のために流した、琥珀色したエーテルの運河だ!」ラストの上杉祥三の台詞が、今も耳にこびりついています。
芝居には関係ありませんが、この公演は自由席で、列に並んで開演を待っていました。
そのとき、私の前に並んでいた若い女性2人組の会話。
「上海バンスキング映画化されるねんて〜」
「ええ〜!ホンマ!(嬉しそうに)で、キャストは?」
「松坂慶子と風間杜夫」
「ええ〜(がっかりした様子で)もうええわー」
まさか後ろに強力な風間ファンの私が並んでいるとは思わなかったのでしょうが(笑)、それを聞いて腹が立つというよりも、小演劇の人気劇団の移り変わりをしみじみと感じてしまいました。
つかこうへいが活動休止してから2年。風間杜夫はアイドル的な人気の絶頂期でしたから、彼女たちにしてみれば小劇場の役者というイメージはなかったでしょう。おそらくつか芝居も見たことのない、こういう小劇場ファンが増えていたのでしょうね。時代は流れているということを、強く印象付けられた出来事でした。
「いつも心に太陽を」(劇団新感線) オレンジルーム 6/21
 作:つかこうへい 演出:いのうえひでのり 出演:筧 十三(利夫) 猪上秀徳 枯暮 修
「熱海殺人事件」(劇団新感線) オレンジルーム 通し券3300円 7/1
 作:つかこうへい 演出:いのうえひでのり 出演:枯暮 修 猪上秀徳 白石恭子 渡辺いっけい
劇団新感線総集公演「グッバイ・ミスター・つかこうへい!」と題され行なわれた公演。
上記2本の他に「寝盗られ宗介」(出演:渡辺いっけい 岡本康子)を加えた3本の連続上演でした。
つか芝居の上演で定評のあった新感線ですが、この3作品上演の後、つか芝居は封印。オリジナルのヘビメタ芝居に移行していきました。その後の躍進ぶりは言うまでもないと思います(^_^)
私が買ったチケットは3本とも見られる根性券だったのに、根性がなくて「寝盗られ宗介」はパスしてしまいました(^_^;) 今思えば、渡辺いっけいの宗介を見なかったとは、なんてもったいない!と思います。
「いつも心に太陽を」は平田満の役を筧利夫が、風間杜夫の役を猪上秀徳(いのうえひでのり)が演じていました。あまり強い印象は残っていないのですが、筧利夫には筋肉バカっぽい演出(笑)がされていたように思います。「筧十三くんの芝居が平田さんをホウフツとさせる力強さで好感を持った」と当時のメモにあり。
「熱海殺人事件」はイキは良かったです。普通に面白かったという感想ですね。
犯人の大山金太郎は渡辺いっけいだったこと、つい最近まで忘れてました(^_^;)
本家で加藤健一が演じた犯人は「マイ・ウェイ」を歌いながら登場するのですが、新感線版は歌ではなく派手な手品だったんじゃなかったかな〜。かなりウケていた記憶がありますが、それが81年の公演だったか、このときだったか、その両方だったのか、今では記憶があやふやです。
「夢なかば」(東京ヴォードヴィルショー) 厚生年金中ホール 2800円 10/3
 作:廣岡 豊 演出:佐藤B作 出演:佐藤B作 花王おさむ 坂本あきら 佐渡 稔 石井愃一 市川 勇 
文豪とその娘(あめくみちこ)の話だったと思うのですが、まったく覚えていません(こんなのばっか^^;)
当時はかなり忙しい毎日だったのですが、それにしても何にも覚えていないとは、情けないにもほどがありますね。
「寿歌」(加藤健一事務所) 郵便貯金ホール 2800円 12/24
 作:北村 想 演出:大杉 佑 出演:加藤健一 星 充 三輪裕美子
「寿歌」はカトケン事務所でも、何度も上演されていました。
前年に見た北村想演出のものとはかなり味わいが違っていて、これも面白かったです。
カトケン事務所の役者さんと彗星'86の役者さんではかなり演技の色あいが違い、こちらのほうがプロっぽい(っていうか新劇っぽい)仕上がりだったような気がします。
本家の軽やかな素人っぽさも、十分良かったです。

1985年

「朝・江戸の酔醒」(五月者) 毎日ホール 4500円 1/17
 作:佐藤五月 演出:小林 裕 出演:風間杜夫 范文雀 林 昭夫 金井 大 滝田祐介 内藤剛志
1982年4月の「熱海殺人事件」以来、3年ぶりに見る風間杜夫の舞台でした。
客席は若い女の子たちの熱気で凄かったです。中にはマナーの悪い人も混じっていて残念でしたが、風間さんを目的に観に来て、「舞台ってこんなに面白いんだ!」と感じてくれたらいいなあと、生意気ですが、思いました。舞台の感想はココに書いてあります。
「光る左手」(ブリキの自発団) オレンジルーム 1600円 6/9
 作・演出:生田 萬 出演:銀粉蝶 片桐はいり 山下千景 生田 萬
初めて観たブリキの自発団。生田萬の“過去はいつも新しく未来は不思議に懐かしい”という言葉に惹かれたことや、最後のアングラ女優と呼ばれていた銀粉蝶、怪女優として注目を集めていた片桐はいりへの興味で観に行きました。片桐はいりの身体の大きさが、印象的でした。
ノスタルジックなSFワールドが展開されていたと思うのですが、内容はほとんど覚えていません(^_^;)
「彗星の使者(ジークフリート)」(劇団夢の遊眠社) 厚生年金会館中ホール 3000円 8/20
 作・演出:野田秀樹 出演:野田秀樹 上杉祥三 段田安則 松澤一之 田山涼成 竹下明子 円城寺亜矢
この公演の前に関西では芦屋ルナホールで「白夜の騎士(ワルキューレ)」の公演がありましたが貧乏でチケットが買えませんでした(^▽^;) この「彗星の使者」が大阪初お目見えですが、厚生年金中ホールが満員でしたから、すでにブームと言っていいほどの人気を得ていたと思います。
夏休みの冒険から始まる物語。野田秀樹の壮大でいてリリカルな世界が展開されていました。
段田安則の演じる「とかげ」がとっても良かったです。口跡が良くて少年っぽいピュアさを持っていて、遊眠社の中では段田さんが一番好きでした。
「宇宙(ワルハラ)蒸発」(劇団夢の遊眠者) 近鉄劇場 3000円 12/8
 作・演出:野田秀樹 出演:野田秀樹 上杉祥三 段田安則 松澤一之 田山涼成 竹下明子 円城寺亜矢
「白夜の騎士」「彗星の使者」「宇宙蒸発」の三本は「石舞台星七変化(ストーンヘンジ)三部作」と呼ばれています。代々木体育館で一日に一挙3本上演して、話題になりました。今思えば、小劇場演劇ブームと、バブル時代の始まりを象徴するイベントでした。
「宇宙蒸発」は「彗星の使者」よりも私には印象が薄いのですが、火山の噴火と琵琶湖に沈んだ旧制高校のボート部の青年たちと古代の神話をかけあわせたお話だったと思います。
旧制高校の青年たちの部分の演出が叙情的で泣かされました。
確かこの年の秋に近鉄劇場が開場。家から電車1本で行ける場所に劇場が出来て、とても嬉しかったことを思い出します。

※文中敬称略